<J1:徳島0-1仙台>◇第11節◇3日◇鳴門大塚

 仙台がアウェーで徳島を破り、4試合ぶりの白星をつかんだ。前半40分に連動した素早い攻撃からFW赤嶺真吾(30)が左足で先制ゴール。渡辺晋監督(40)が求め続けてきた「攻守の切り替えの速さ」から生まれた決勝点で、最下位相手に意地を見せた。

 スコアは1-0でも、大きな差を見せつけた。自陣に引いて守りを固める徳島よりも先に全員が動きだし、何度も決定機を作った。守ってはDFラインの裏を突かれても相手に体を寄せ続けて2試合連続の無失点。渡辺監督は「勢いを持って仕掛け、主導権を握ろうと話していた通りの試合だった」。キックオフ前にはコイントスで勝った主将のDF角田が風上に立つエンドに変更。最後まで流れを明け渡すことはなかった。

 待望の先制点は相手を完全に崩しきった。前半40分、センターライン付近でMF武井が縦パスを出した瞬間にスイッチオン。DF石川直、MF梁、FW武藤が一気に走りだすと、徳島守備陣はついてこられない。最後はゴール前でトラップし、マークをかわした赤嶺が左足を振り抜いた。開幕から11試合、940分目で生まれた初の流れからのゴール。渡辺監督は「人についてくる守備をいかに攻略するかがポイントだったが、狙い通りの形だった」と胸を張った。

 指揮官の哲学が、自信を失っていた選手たちに勢いを取り戻させた。指導者生活をスタートさせた05年、下部組織のコーチ時代から「ユースの子たちにも、レベルの差を見せつけられるのは技術よりも切り替えの速さだと言ってきた」と話す。08年にトップチームのコーチになっても考えは変わらず「誠さん(手倉森元監督)とも意見が一致して、12年に2位まできた。自信が確信に変わった」。揺るがぬ信念を持って監督に就任し、立て直しに着手。もう大量失点していた頃の後手を踏む姿はない。成果は、後半30分に敵陣深くでボールを奪われた瞬間にプレスをかけたDF菅井が倒されてPKを奪ったシーンにも象徴されていた。

 4試合ぶりの勝利で15位大宮と勝ち点9で並んだ。攻撃にも連動性が出始め、2試合負けなしは今季初。指揮官の「再出発の1歩にする」という言葉どおり、5月攻勢をかけて降格圏から抜け出す。【鹿野雄太】