J2札幌MF上里一将(28)が明日12日の愛媛戦(札幌ドーム)で、昨年9月15日の栃木戦以来8カ月ぶりに公式戦出場することが10日、濃厚となった。この日、札幌宮の沢での紅白戦で主力組ボランチに入ってプレー。財前恵一監督(45)は原則、復帰選手は練習試合でテストしてから起用してきたが、4戦勝ちなしの中、途中起用で状況を打開するプランがあることを明言した。

 20番の左足で攻撃にアクセントを加える。上里は途中から主力組に入り、的確なパスと味方への指示で状態の良さをアピール。動きをチェックした財前監督は「動きに問題はない。(愛媛戦は)時間限定なら使うのもありかと。経験もあるし途中からでも問題ない」と起用を示唆した。大型連休中は4戦2分け2敗。取りこぼした勝ち点を、思い切った抜てきで、挽回(ばんかい)する。

 出場すれば、昨年9月15日の栃木戦以来の実戦になる。同20日に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で手術し、今年4月28日の練習で全体合流するまでの8カ月を「長かった」と振り返った。つらいリハビリの間、ロッカーを埋め尽くしたサポーターからの千羽鶴が復帰への力だった。「励ましてくれた人に元気な姿を見せたい」。感謝の思いを熱いプレーで示す。

 次が公式戦250試合の節目。「いいときも悪いときも外から見てイメージはしていた。近い距離のつなぎはできている。広い範囲を使って人を走らせることができれば変わる」。勝負どころで登場し、得意のサイドチェンジやFKで、チームを、5戦ぶり勝利へとけん引する。【永野高輔】