<ナビスコ杯:鳥栖2-0仙台>◇1次リーグ◇24日◇佐賀

 仙台はアウェーで鳥栖に敗れ、1次リーグ敗退が決まった。前半32分にPKで先制点を与えると、後半12分にもセットプレーから失点。気温30度を超える暑さに、持ち味の運動量が最後まで影を潜めた。

 今季初めて味わう暑さに、連勝の勢いが完全に止まった。前日23日の仙台との気温差は約15度。序盤から出足が鈍く、前半15分すぎには全員が給水を取るなどエンジンがかからなかった。中2日の鳥栖に圧倒されての完敗に、渡辺監督は「背後を突く動きなど運動量が少なく、パスも足元ばかりになってしまった」と悔やんだ。

 判断も鈍った。1人1人がボールを保持する時間が長く、味方を探している間に相手が守備陣形を整えた。右サイドバックで出場した武井は「暑さでサポートが少なくて、パスの出しどころがなかった」。局面を打開しようとスペースを突く動きを繰り返したMF太田も「暑いからゆっくりやろう、という部分はあったと思う」と唇をかんだ。連勝中に見られた縦パスが入らず2トップの赤嶺とウイルソンの位置が下がり、シュートわずか6本。決定機はほとんど作れなかった。

 5月初黒星で、カップ戦は予選リーグ敗退が決まった。正念場の夏へ不安を残す内容だったが、太田は「仙台は運動量を増やさないと勝てないと、あらためて気づかされた」と言った。本当の強さを取り戻すためには、走り続けるしかない。【鹿野雄太】