<J1:清水0-2川崎F>◇第15節◇19日◇アイスタ

 2桁得点一番乗りだ!

 川崎F・FW大久保嘉人(32)が2試合連続となるゴールを決め、清水を下した。1-0の後半17分、FW小林悠(26)の右足シュートがゴールポストをたたくと、こぼれ球を右足で押し込んだ。これで2年連続の得点王へ、今季最速で2桁ゴールを達成。チーム力アップの手応えもつかみ、リーグ再開後、アウェーで2連勝を挙げた。

 FWの勘を、存分に発揮した。1-0の後半17分。小林のシュートが左ポストにはじかれたとき、大久保はもうゴール前に詰めていた。「スリッピーだったから、こっちに来るかなと思って。来る、来ると思いながら走ったら、スピードが上がりすぎた」。雨でぬれたピッチを予測し、体ごと右足で押し込んだ。

 少ないチャンスをものにした。前半27分にゴール前で仕掛けるも突破できず。同43分には裏に抜け出すも、オフサイド。同45分、ゴール前左から仕掛けてこの日初シュート。GKに好セーブされたが、これでスイッチが入った。後半32分に決定機を外すとゴールネットを蹴り上げて悔しがったが、決定的な動きで両チーム最多タイ3本のシュートを放った。

 これまで得点王、ACL、2度のW杯を経験したが、国内タイトルは無冠。だが初のリーグ制覇へ、手応えもある。前半は清水に押し込まれたが「前半に失点しても、後半に点を取る自信はあった」。後半9分に小林が頭で先制ゴールし、J1通算100試合目に花を添えると、DFジェシ、MFレナトを欠く中で、無失点に抑えアウェー2連勝とした。「誰が出ようが変わらない。今までなら負けていた。チーム力がアップしたということ」と、仲間の成長を実感した。

 夏好きを公言する大久保は、W杯を終え「代表に未練はないから」とキッパリ。帰国後は、後輩を誘って夏の風物詩のうなぎを食べ、真夏に備えた。新監督候補のアギレ氏については「スペイン時代にやっていたから。いいんじゃない。代表に入れてーって、言っといて」と、大久保らしく豪快に笑った。梅雨明けはもうすぐ。2年連続の得点王、そして初のリーグ制覇へ、ゴールを量産する。【桑原亮】

 ▼2年連続10号一番乗り

 川崎FのFW大久保が今季10得点目。得点王を獲得した昨年に続いてシーズン2桁得点の一番乗りとなった。2年連続の10号一番乗りは、93、94年の鹿島FWアルシンド以来、20年ぶり2人目。昨季の大久保はチーム14試合目の到達で、最終的に26ゴールを挙げたが、今季も15戦目での2桁得点とまずまずのペース。