<J1:川崎F1-0新潟>◇第17節◇27日◇等々力

 試合開始の約3時間前、大粒の雨が等々力のピッチをぬらした。パスワークが売りの川崎Fにとっては、球足が速くなって好都合。まさに「水を得た魚」だった。新潟を1-0で下し、FW大久保嘉人(32)は「スリッピーだったけど、そっちの方がうちにはいいからね」と笑顔。勝利の条件は試合前から整っていた。

 雨の日にめっぽう強い。リーグ戦では12年11月17日の新潟戦(1-0)を皮切りに、試合中に雨が降った試合は最近10試合は無敗(6勝4分け)だった。この日も水を含んだピッチで、前からプレスをかけてくる新潟に対して冷静にパスを回し、徐々にペースをつかんだ。後半15分、雨中の10試合で全16得点中9点を挙げていた“雨男”大久保のアシストでMF森谷賢太郎(25)の決勝ゴールが生まれた。

 試合中は「曇りのち晴れ」で雨は降らなかったが、3試合連続完封で、今季初の4連勝と“雨の日に強い”というデータを証明した。首位の浦和と勝ち点3差の3位で前半戦を折り返し「研究される中で勝てているのは大きい」(大久保)。風間監督も「自分たちのスタイルが武器だと理解し、粘り強くやってくれている」とうなずいた。後半戦に確かな手応えをつかんだ。【桑原亮】