「ダブルカズ」が伸二を生かす。J2札幌は1日、札幌宮の沢で紅白戦を行い、MF深井一希(19)が主力ボランチに入った。明日3日北九州戦で、昨年11月10日神戸戦以来9カ月ぶりの先発が濃厚となった。ダブルボランチを組む上里一将(28)とは、昨年6月22日岐阜戦以来1年2カ月ぶりの出場。前回4-0大勝に導いた2人の「カズ」が攻撃の軸、小野をサポートし、敵地3連勝につなげる。

 この日の紅白戦後、深井は小野から直々にアドバイスを受けた。右サイドでボールを持った石井へのサポートが遅れたことがポイントだった。「あそこで自分が顔を出して受けていれば前も向けたし、一気にチャンスになった」。11年U-17W杯8強の逸材は、教えられたことをやるだけではない。初めて一緒に出場する小野との連係も頭に入れ「いいタイミングで伸二さんのパスコースに入り、プレーしやすくなるようポジショニングを取りたい」と自らのテーマを掲げた。

 9試合連続先発が濃厚な上里は、小野と深井の間でバランスを取る。「一希は今季初めての出場。うまく近くにいて気持ちよくプレーさせたい。伸二さんにはより多くボールに触れるよう意識したい」と言った。前節横浜FC戦は途中で体調不良を訴え途中交代となったが、既に回復。「もう大丈夫。しっかりプレーしたい」と前を向いた。

 深井は右足、上里は左足のサイドチェンジが武器。小野にはゴールに直結する絶妙な縦パスがある。初結成「UFO」トリオの巧みなキックで敵をかく乱し、前節無得点だった攻撃陣を立て直す。【永野高輔】