<天皇杯:C大阪2-0磐田>◇4回戦◇10日◇ヤンマー

 J2磐田はJ1のC大阪に敗れ、8年ぶりのベスト8進出を逃した。J2降格危機にある難敵は就任したばかりの大熊裕司新監督の初陣だった。磐田は「下克上」を狙うチャンスだったが、前半30分、後半19分に失点し、試合を優位に進められなかった。攻撃もゴールを奪うことができず、完封負けを喫した。

 J1の壁は厚かった。終盤、ゲームメーカーのMF松井大輔(33)、MFフェルジナンド(34)を投入して逆転を狙った。後半40分には松井がフリーでシュートを打つもゴール枠の外へ…。0-2の完封負け。8年ぶりの8強進出はならなかった。

 今回は、連戦を考慮して先発を7人も入れ替えた。DF伊野波雅彦(29)や駒野友一(33)もスタメン復帰。相手はJ2降格圏に低迷し、今季3人目の監督が就任したばかりのC大阪。勝機は十分にあるはずだった。先発復帰したFWポポ(36)は「J2の方が、ガツガツとプレスに来てスペースを与えてくれない。逆にJ1の方がお互いスペースがある中でプレーできる」と予測した通り、前半からチャンスは演出できた。

 しかし最後のパスやクロスが合わず、ゴールにつながらない。前半30分、MFチンガ(23)が相手GKと1対1になる決定機があったが、正面で止められた。その大きなチャンスを逃した直後に失点。中盤の空いたスペースを簡単に突破されゴールを割られた。ハーフタイムでシャムスカ監督(48)は「守備の時、ボールにもっと寄せること、エリアでは落ち着いて判断良く攻撃すること」と指示したものの、後半19分にはクロスから追加点を許した。

 今季、逆転勝利がないチームに2点は重すぎた。リーグ戦から続く「守備の寄せの甘さ」に加え、守備から攻撃に転じるときのビルドアップや選手の動きに課題を残したまま。今後はリーグに集中し、13日の長崎戦に挑む。【岩田千代巳】