指揮官がメモリアル勝利でJ1への流れを呼び込む。J2札幌のバルバリッチ監督(52)が今日14日の岐阜戦(長良川)で、就任後初の指揮を執る。現在2連勝中とあり、指揮官は勢いを重視して、前節長崎戦から先発10人を固定。まずは「いじりすぎない」バル流で、途中就任監督初の初陣勝利と、クラブのJリーグ通算250勝達成を目指す。

 指導日数5日での初戦。チームを根本から変えるのは難しい。「期間が短いので状況を見極め、柔軟に対応することを重視した。選手の特長の見極めと課題の改善に努めた」。先発は出場停止のDF奈良の代わりにパウロンを起用したのみで、システムは4-2-3-1と前節を、ほぼ踏襲した。自らの色を出すより、勝てる形を保ち「前に出る」意識付けの部分に選手が集中するよう気配りした。

 札幌の監督交代初戦は、過去4戦1分け3敗と結果が出ていないが、連勝中に新監督が采配を振るのは今回が初めて。名塚コーチによる暫定指揮では2戦2勝と結果を出しており流れはいい。指揮官は「全員が100%の力を出し、戦うことを楽しむ。そうすれば結果は出る」と言った。

 次の勝利がJ250勝。50勝の00年岡田、150勝の07年三浦、200勝の11年石崎の3監督は昇格に導いた。「札幌が(プレーオフ圏)6位に入るポテンシャルは十分ある」。“プチ修正”で1勝を挙げ、自信を植え付けながら勝ち点を積み重ねる。【永野高輔】

 ◆札幌の途中就任監督の初戦

 通算1分け3敗。98年、コーチから昇格した石井肇監督は同10月21日平塚戦から指揮を執り、2-2もPK戦の末、黒星。02年のイバンチェビッチ監督は、7月13日神戸戦から指揮を執り0-1。その後、同監督解任後、張外龍コーチが監督昇格も、初戦の9月18日横浜戦は0-1の延長Vゴール負け。03年にジョアン・カルロス監督解任後、再びコーチから昇格した張監督は、8月10日川崎戦から指揮を執り1-1ドロー。