“スライム布陣”でプレーオフ圏を狙う。J2札幌は今日4日、水戸と対戦する。バルバリッチ監督(52)は3連勝に向け、前節松本戦同様3-4-3でスタートも、試みれば初となる試合途中でのシステム変更を示唆した。巧みなベンチワークで2連勝と結果を出したが、今度は、布陣の変形も視野に入れながら、勝ち点3差に迫った6位浮上を目指す。

 水戸戦に向け指揮官は「結果が出ているから最初は3-4-3で行こうと思うが、試合中に変化することはありえる。相手に合わせ、うまく形を変えることも大事」と言った。3バック、4バックを併用する水戸の特長を消すため、柔軟に形を変えながら、流れを引き寄せる。

 愛媛時代の指揮官を知る石井が「試合中に形が変わることはよくあった」と言うように、バルバ流の特長は、複数システムを使い分けながら勝機を見いだすこと。就任から間がなく、ここまで4戦は試合中に大きく布陣を動かすことはなかったが、プレーオフ圏入りがかかる5戦目、ついに最大のストロングポイントを生かす時がきた。

 3トップ右の荒野は、U-21代表で3トップ中央を経験し、ボランチも可能。右MF石井は、4バックでのサイドバックやFWもできるなど、自在に変形できる先発陣でもある。さらに指揮官は、この4戦で、上原慎のセンターバック、DF日高のFWなど、意外なポリバレント性も見いだしてきた。今回は、また新たな勝利へのアプローチ法で、結果を出しながら、戦術の幅を広げていく。【永野高輔】

 ◆札幌の第35節プレーオフ圏浮上条件

 前節終了時点で札幌は勝ち点48の10位。水戸に勝利して勝ち点を51に伸ばした上で、6位大分(勝ち点51)が敗れ、7位山形、8位京都、9位千葉(いずれも勝ち点49)が引き分け以下なら第23節以来12節ぶりに6位に浮上する。