<J2:東京V0-0札幌>◇第39節◇1日◇味スタ

 J1が遠ざかる。札幌は東京Vと痛いドローに終わった。降格争いを繰り広げる20位の東京Vの守備にてこずり無得点。3連勝を逃し、残り3試合でプレーオフ(PO)圏6位大分との勝ち点差は4に開いた。早ければ9日の次節讃岐戦(札幌ドーム)にも7位以下が確定し、目標にしていた来季のJ1昇格が消滅する。

 雨中の戦いを制すことはできなかった。スタンドには今季アウェー最多の2100人のサポーターが集まったが、勝ち点3は遠かった。バルバリッチ監督(52)は「これだけ多くのサポーターがきてくれたのに勝ち点3を取れなかったのは非常に残念」と険しい表情で振り返った。シュート数は20位の東京Vの14に対し、札幌は9。ペナルティーエリア内のチャンスを十分につくれず、主導権を握ることができなかった。

 このスコアレスドローで、状況は極めて厳しくなった。FW内村圭宏(30)は「この時期に、勝ち点3を取れないのはいけない。あと3試合全部勝つしかない」と悲壮感を漂わせた。札幌の勝ち点は56。勝った6位の大分は勝ち点60。次節のホーム讃岐戦に敗れるようなことになると、大分の結果次第では2試合を残しての終戦が決まる。下位相手のとりこぼしが、首を絞める格好となった。

 昨季は第39節で千葉を下し、残り3戦でPO圏6位と勝ち点3差に付けたが、そこから3連勝しても、重圧のかかった最終北九州戦で引き分け、PO進出を逃した。今季は残り3試合で4差。事態は昨季よりも追い詰められた。3戦連発を逃したFW都倉賢(28)は「決められるチャンスで決めることができなかった。点という部分で個人的な質もチームとしてのチャレンジも少なかった」と猛省した。

 ここで逃した勝ち点2が、これから大きな意味を持ってくる。指揮官は勝てなかった原因について「イニシアチブを取るために必要な、オフザボールの動きの量、質ともに足りなかった。動きが重かった」と疲労面を懸念。今日2日から2日間、今季最後の連休とした。シーズン終盤は負傷者も増え、満身創痍(そうい)の戦いが続くが、それはどのチームも同じ。希望をつなぐか終戦か。札幌はもう1敗もできない崖っぷちに追い詰められた。【永野高輔】

 ◆次節の札幌の行方

 第39節を終え、札幌は勝ち点56の8位。札幌が次節の讃岐戦に負けた場合、3位磐田、4位北九州の勝敗にかかわらず5位以下が確定。さらに5位千葉が△以上、6位大分が○で、札幌が残り2試合で2連勝してもこの2チームを上回れず、7位以下が確定する。札幌が引き分け以上の場合は、第41節以降に望みをつなぐ。