<J1:仙台3-3C大阪>◇第32節◇22日◇ユアスタ

 17位C大阪が試合終了間際に同点に追い付き、残留争いで首の皮一枚残った。後半ロスタイムにFWカカウ(33)が仙台に起死回生の同点弾。勝ち点1をつかんだが、1敗も許されない厳しい状況となった。

 J2降格の崖っぷちに立つC大阪はFWカカウの同点弾で、わずかな希望を残した。負ければ他会場の条件次第で降格が決定する可能性があった。だが、何とか食らいついた。2-3で迎えた後半ロスタイム、同35分から途中出場のFWカカウの右足でゴール。「パスを受けた瞬間、シュートだと思った」。元ドイツ代表の今季5点目は貴重な1点となった。

 1万9404人の敵地仙台は、恐ろしいほどの一体感があった。前半途中までに連続失点。今季を象徴する立ち上がりに、FW南野拓実(19)は「難しい試合だった」。今季は2点のビハインドから追い付いたことはなかったが、後半開始から流れをつかみ、FW永井の今季2点目で同点とした。だが、最後まで勝ち越せなかった。

 大熊裕司監督(45)は「前半から後半みたいなゲームをしないと、勝ち点3を取るのは難しい」。MF扇原貴宏(23)も「勝ちが欲しかった。自分たちのミスで失点してしまって、修正しないと」。

 次節にも降格が決まる状況に変わりはない。他会場に関係なく、1敗した時点で3度目の降格が決まる。仙台、清水が残り2試合で1勝すれば、2連勝しても届かない。限りなく厳しい状況に、南野は「同点に追い付いたことを前向きに捉えるしかない」と話した。次の鹿島との今季ホーム最終戦は、死力を尽くして勝つしかない。【小杉舞】