W杯に2大会連続出場した名古屋の元日本代表FW玉田圭司(34)が契約満了に伴い今季限りで退団することが25日、決まった。愛知・豊田市内でクラブ側と話し合い、来季契約を更新しないと告げられた。今季就任した西野朗監督(59)は若返りを主導し若手を積極登用。来季続投が内定している同監督の構想から外れたとみられる。

 クラブの顔は、けがもあったが、今季ここまでリーグ32試合中、出場12試合と出番に恵まれなかった。海外、国内問わず幅広くオファーを待ち心機一転、環境を変えて出直す。29日の大宮とのホーム最終戦(豊田ス)が別れの場となる。

 W杯は06年ドイツと10年南アフリカの両大会に出場。ドイツ大会1次リーグのブラジル戦では王国を本気にさせる先制ゴールをたたき込んだ。W杯でゴールを決めた日本人選手10人のうちの1人。スピードに乗ったドリブルと圧倒的な技術を武器とし、天才肌のレフティーとしてJ1通算得点も96点まで積み上げた。

 在籍9年目の名古屋では、10年の悲願のリーグ初制覇に大きく貢献。今季限りでFWケネディが退団(メルボルン・シティーへ移籍)しMF中村も引退する。10年の優勝を彩った主力が一気に姿を消し、ひとつの時代に区切りがつく。

 ◆玉田圭司(たまだ・けいじ)1980年(昭55)4月11日、千葉県生まれ。習志野高(千葉)から99年に柏入り。06年に名古屋へ完全移籍。日本代表としてW杯はドイツ、南アフリカと2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点。J1通算341試合96得点。173センチ、67キロ。