神戸に加入したFW渡辺千真(28)が、移籍後初弾で日本人エースに名乗りを上げた。鹿児島合宿中の12日、今季初の練習試合・福岡大戦に3トップの左で先発。前半9分にCKから頭で豪快にゴールを決めた。その1分前にも中央突破からFKを獲得して得点を演出。同17分にFWマルキーニョスへ、31分にはFW森岡へ絶好クロスを出すなど大車輪の活躍だった。

 渡辺は「結果を残せたのは良かった。今季は2ケタ得点を取りたいので、もっとシュートまで持って行く場面を増やしたい」と意欲的だ。昨季13得点のFWペドロ・ジュニオールとDF安田の主力が故障離脱中ながら、5-2の快勝。厳格で有名なネルシーニョ監督は「(前半で)あと3~4点は取れた」としながらも「森岡と(渡辺)カズマが攻撃の質を上げてくれた」と満足そうだ。3月7日の開幕柏戦までに攻撃の質をさらに高め、神戸が今季J1の台風の目になる。

 ◆渡辺千真(わたなべ・かずま)1986年(昭61)8月10日、長崎県生まれ。国見高2年時に高校選手権優勝。早大から09年に横浜入り。1年目から13得点で新人王に輝き、日本代表に選出された。12年に東京に移り、翌13年にはJ1で自己最高の17得点を記録。今季から神戸に移籍。大宮DF渡辺大剛は実兄。182センチ、77キロ。