国際サッカー連盟(FIFA)の倫理委員会は8日、ゼップ・ブラッター会長(79)、欧州サッカー連盟(UEFA)会長でもあるミシェル・プラティニ副会長(60)に、90日間の暫定的な活動停止処分を科した。期間は最長45日間、延長の可能性がある。

 FIFAの汚職問題は、ブラッター会長と次期会長の有力候補だったプラティニ副会長の暫定的な活動停止処分にまで発展した。来年2月26日に行われる会長選挙の行方は混迷の度合いが一層深まった。

 会長選の立候補は今月26日に締め切られる。プラティニ氏はサッカーに関わる活動を禁じられるため、関係者によると立候補できない見通し。さらに、同じく出馬を表明している韓国の鄭夢準元副会長も6年間の活動停止処分を受けた。汚職問題からの再起を担うはずだった次期会長候補にまで腐敗が広がっているという事実は、サッカー界への信頼を大きく損ねる。会長選に立候補する意向を示しているのは、5月の選挙でブラッター会長に敗れたヨルダンのアリ王子、元ブラジル代表で日本代表監督の経験もあるジーコ氏ら。本命がいなくなった中、FIFAを立て直せる人材が現れるかは不透明だ。