【バルセロナ(スペイン)5日=山本孔一通信員】日本代表MF中村俊輔(31)に、大きな試練が訪れた。所属するエスパニョールで出場機会が失われつつある中、ポチェッティーノ監督が4日の会見で「彼に多くのことを要求しすぎた」と発言し、中村がスペインリーグにうまくなじめていない現状を初めて認めた。

 ポチェッティーノ監督

 移籍してきてから、誰もが多くのことを要求している。違うサッカー、違う文化からきたわけだし、適応に苦労するのは当然だ。ただ、チームに順応するのにここまで苦労するとは思っていなかったし、同じクラブの自分たちにも責任がある。

 10月の日本代表戦後は、公式戦4試合で2試合に出番なし。遠征でチームを離れている間に新たな選手が台頭し、定位置を失った。中村は「そのうちに結果は出る」と前向きに話し、ポチェッティーノ監督も「チームのみなが、彼が気持ちよくプレーできるように力になる」とサポートを約束。ただし即戦力とみなして獲得した司令塔が「期待外れ」だったことを、公の場で暗に示してしまった。

 一夜明けた5日、中村は「サイドに開いてアタックする(チームの)やり方が分かった。意識、イメージを変える必要がある」と柔軟な姿勢を強調し、日本代表招集にも「クラブの決定に従うだけ」と慎重に話した。一方で「オランダ戦の感覚、反省を忘れずに積み重ねていければ」と代表への熱い思いものぞかせた。

 [2009年11月6日8時59分

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