トヨタ自動車の豊田章男次期社長は、ドイツ西部ニュルブルクで23日から24日にかけて行われた世界最大級の耐久レース「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」の本戦にドライバーの1人として出場した。レースは24日午後4時(日本時間同日午後11時)に終了。章男氏のチームは約170台中の87位で完走した。

 章男氏は国際C級ライセンスを持ち、「モリゾウ」という名前で出場。自らレースに挑戦するのは、未曾有の不況の中でも積極的に話題をつくり「車の楽しさ」を世界に向けてアピールすることが狙い。

 チームは、開発中の超高性能スポーツカー「レクサスLF-A」を使用し、章男氏はプロレーサーら3人と交代で運転した。「(開発中の)車との対話も目的」と話した章男氏だが、起伏とカーブに富んだ過酷なコースで車は故障に悩まされ、チームは順位を大きく落とした。予選では24位と健闘していた。

 このレースは24時間でどれだけの距離を走れるかを競うもので、例年200台前後の車が参加する世界最大級の自動車イベントとして有名だ。本戦には地元ドイツを中心に欧州各地から多くの観客が集まり、キャンプをしながら夜通しで声援を送った。主催者によると今大会は23万5000人の観客を集めた。(共同)