テコンドーの金メダル候補に暗雲!? メキシコで行われたグランプリファイナルに出場し、2大会連続の五輪出場が決まった女子57キロ級の浜田真由(21=徳山大)が9日、帰国した。世界選手権女王として頂点を狙うも、1回戦敗退。「守りに入った。心技体のバランスがうまくいかなかった」と表情は浮かなかった。

 裏には、予想外の出来事もあった。公式の電子防具の変更を知らされたのは試合前日。浜田を指導する古賀剛コーチは「言い訳みたいですが」と前置きした上で「カットが入らなかった。前足でバーンと蹴っても(点が)つかないんですよ」と嘆いた。浜田の武器は、片足立ちで前足を使い相手を嫌がらせる「カット」。その技で得点を取れるはずが、新しい防具では全く反応しなかった。

 リオでも、この新防具が使われる。古賀コーチは「1日でも早く仕入れて分析してもらい、そこからリオに向けてスタイルを作っていく」。浜田も「対応していかないと」と焦りをみせた。まだ21歳。自分でも「成長している途中」と認める通り、伸びしろは十分ある。「最大の目標」と話す金メダルへ、不安要素をなくしていく。【高場泉穂】

 ◆浜田真由(はまだ・まゆ)1994年(平6)1月31日、佐賀市生まれ。5歳でテコンドーを始め、10年世界ジュニア銅メダル。18歳で初出場した12年ロンドン五輪では5位。13年世界選手権、14年の仁川アジア大会で銀メダル。15年世界選手権で日本勢初の優勝。家族は両親と兄、弟。174センチ、57キロ。