女子シングルス決勝で奥原希望(20=日本ユニシス)が、ロンドン五輪銀メダルの王儀涵(中国)をストレートで破った。

 奥原が、全試合ストレート勝ちで女王の座を手にした。1ゲームを先取し、20-18で迎えたマッチポイント。クロスに狙いすましたショットがコートに落ちると、床にあおむけになり手で顔を覆った。息を切らしながら「本当にうれしい」とうれし涙が頬を伝った。

 自他ともに認める根っからの負けず嫌いだ。高校時代、大会など授業を離れることが多いにもかかわらず、得意な数学のテストで納得できない点数を取るのは許せなかった。練習の合間に勉強し、学年トップの成績をキープした。練習でも手を抜きたくないと、コーチが止めるまで動き続ける。プレーが思うようにいかないと、悔しくて涙を流す。その勝負へのこだわりが、そのまま土壇場での強さにつながっている。

 4年ぶりの全日本選手権優勝に続く、世界一のタイトル。「充実して1年を締めくくれた。五輪のメダルが見えてきた」と自信を漂わせた。

 ◆奥原希望(おくはら・のぞみ)1995年(平7)3月13日、長野県大町市生まれ。6歳でバドミントンを始める。11年、埼玉・大宮東高2年で全日本選手権を史上最年少で優勝。同3年では世界ジュニア選手権で優勝。利き腕は右。156センチ、52キロ。世界ランク9位。