女子決勝は久光製薬が日立に3-1で逆転勝利し、2季ぶり5度目の優勝を飾った。今季4戦全敗と相性の悪い日立に第1セットを奪われたが、逆転勝ち。元日本代表のウイングスパイカー新鍋理沙(25)が、サイドからの巧みなアタックで流れを引き寄せ、全日本選手権との2冠を達成した。日立は初のリーグ制覇を逃した。

 第1セットを落とし「これはいつもの日立に負ける雰囲気」と中田久美監督(50)でさえ思っていた第2セット。ここから、12年ロンドン五輪銅メダリストの新鍋が覚醒した。「今日は珍しく見えた」と相手ブロッカーの動きを読み、その間を抜いたり、ブロックアウトにしたりとサイドからアタックを次々と決め、嫌なムードを断ち切った。

 第4セット、最後のアタックも新鍋だった。勝利が決まると両手で顔を覆い泣いた。「ファイナル6までスパイクも決まらないし、レシーブも取れない。チームに迷惑をかけてしまった。でも迷っている暇はない、と。今日は迷わずいった結果です」。日本代表のエースアタッカー長岡の23点に次ぐ、22得点。中田監督も「新鍋がよく頑張ってくれた。彼女の意地だと思います」とたたえた。

 昨季はファイナルで敗れた。その悔しさから「チームに残りたい。絶対また優勝したい」と昨年は日本代表の招集を断り、リーグに専念することを選んだ。前年までなら代表活動で抜けていた夏場にチームの仲間と一緒に過ごすことで「一から作り上げた実感がある。それが結果につながって、うれしい」。充実感があふれていた。【高場泉穂】