世界ランク6位の福原愛(27=ANA)は愛の力も及ばず、初戦の2回戦で同22位の李皓晴(香港)に3-4と敗れた。台湾のイケメン選手、江宏傑(27)との交際公表後、最初の国際大会となったが、いきなり3ゲームを先取された。3ゲームを奪い返す意地も見せたが、最終ゲームを10-12で失った。約3時間前には恋人の江も日本のエース水谷隼に2-4で敗れ、「アベック敗退」となった。

 福原はいつも通り、お気に入りのハートのピアスを身につけて臨んだが、第1ゲームの接戦を落とすと、波に乗れなかった。

 過去6勝1敗と圧倒する相手に、いきなり3ゲームを奪われる苦しい展開。香港入り後に出たせき込む症状。“恋わずらい”ではないが、試合中もせきが続き、体調は万全ではなかった。競った場面で凡ミスも目立った。3-3で迎えた最終ゲームも9-7とリードしながら押し切れず。「また課題が見つかったという感じ。もっと精神面で強くならないと」。交際宣言したラブパワーは、大逆転劇につながらなかった。

 6日に自身のブログで「良いお付き合いをさせていただいております」と報告後、周囲は「恋愛話NG」を報道陣に通告するなど、ピリピリした雰囲気もあった。普段は「皆さんに、お聞きしたいんですけれど…」など、私的なことも話しながら和やかな空気をつくるだけに、リズムが狂った可能性はある。

 日本だけでなく「瓷娃娃(ツーワーワー、磁器の人形の意)」の愛称で呼ばれてファンクラブがある中国、江の地元台湾、開催地香港など「おめでとう」の声はアジア共通だ。恋人の江も初戦で敗れ、勝利の喜びを分かち合うことはお預けとなった。

 明日15日からは、第2ステージで再発進する。「納得のいくような、五輪につながるプレーができたら」と、気持ちの切り替えに懸命。お互い高め合ってきた江との「アベック初勝利」が良薬となるはずだ。

 ◆卓球の五輪アジア予選 今大会はシングルスのアジア代表枠男女各11を争う。第1ステージは5地区に分かれ、日本勢は東アジア地区のトーナメントを戦う。各地区1位が出場権を獲得、敗れた選手は第2ステージで残る6枠を争う。今大会で出場権を逃しても5月に発表される世界ランク上位22人は出場できる。男子7位水谷、同15位丹羽、女子4位石川、同6位福原の出場は事実上確定している。