【リオデジャネイロ(ブラジル)21日=三須一紀】五輪開幕まで100日余りとなったリオの五輪関連施設が崩壊し、2人の犠牲者が出た。世界的に有名なコパカバーナ海岸と五輪パークがあるバーハ地区の間にある「ニエマイヤ通り」に並行して造られた自転車専用橋が、波浪、高波の影響を受け崩落した。地元消防などによると2人が亡くなり、他にも複数人が波にのまれたといい、不明者の捜索を行っている。

 事故現場は大西洋沿岸の切り立つ崖の上にある自転車専用橋。五輪イヤーに合わせて今年1月に完成した。高波の圧力を下から受け、橋桁とともに約100メートルの区間が崩落した。

 現場近くにいた34歳男性は「事故が起きる30分ほど前に同じ場所を通った。ぞっとする。言葉にならない」と話した。23歳男性は「五輪で使う場所でもあり、ひどい」と痛烈に批判した。橋に沿って走る「ニエマイヤ通り」は五輪の自転車ロードレースのコースにもなっている。

 地元住民によれば、普段から波が高い日はあり、高波は想定できるという。それにもかかわらず崩落場所以外にも、波の影響などを受け、橋と橋桁に隙間が見られるなど、ずさんな施工に批判が集まるのは必至だ。