賭博問題で揺れる日本バドミントン界に選手会が新設されることが7日、分かった。北京、ロンドン五輪代表で、世界バドミントン連盟(BWF)アスリート委員も務める池田信太郎氏(35)が発案し、既に日本協会に伝達済み。選手の意識改革や競技の環境改善などを目指し、来年から本格的に活動を始める予定だ。

 バドミントン界で初の選手会が設立される見通しとなった。現役時代は潮田玲子との混合ダブルス「イケシオ」で知られ、15年9月に引退した池田氏は、かねて選手会が必要だと考えていたという。4月に賭博問題が発覚したことなどを受け、このほど設立の準備を開始した。

 田児賢一、桃田賢斗ら複数の選手が国内の違法カジノ店に出入りしていた今回の不祥事では、協会がNTT東日本の調査だけをもとに選手を処分した。選手側の立場からは、弁明の機会のないままの処分は釈然としないとの見方もある。池田氏は「協会、企業のフィルターを通すことで選手の意見が分かりにくくなっている。選手会が選手の状況や意見を協会、企業に伝えられるようになればいい」と語る。

 構想では選手会は労使交渉はせず、主にバドミントン競技環境の改善、選手間での勉強会、競技の普及などを目的に活動する。既に協会幹部には伝達済みで、リオ五輪後から各実業団に説明するなどし、理解を求めていく予定だ。OB、現役含めた有志数人が代表になり、来年からの本格的な活動を目指す。

 池田氏は「失ったものを取り戻したい」と、選手参加型でバドミントン界の信頼回復と発展を推し進めたい考え。「他競技のオリンピアンを呼び、選手の講習会を行う。桃田、田児を呼ぶことも考えている。また、選手主体のファン感謝祭も開催したい」と具体的なプランも明かした。