PG五十嵐圭(36)がB1新潟での実戦に初登場した。B2山形との今季初の対外試合で第3クオーター(Q)に「初得点」を決めた。個人成績は2得点1アシストだが、22分21秒の出場で存在感を示した。試合は67-73で敗れたものの、未調整ながら鋭さを見せた五十嵐が、開幕に向けたチームの歩みを加速させる。

 五十嵐が一瞬、ギアを入れた。44-44の第3Q7分、PG畠山俊樹(25)からパスを受けると、中央をドリブルで突破。そのままリングを捉えた。「得点が止まっていたので、リズムをつくろうと思って仕かけた」。第4Q3分には初アシスト。ドリブルで切れ込み、Cダバンデ・ガードナー(25)にラストパスを出した。

 「コンディションは30%くらい。出来はこんなものかな」と笑う。第1Qの開始8分、新潟のユニホームを着て初めてコートに立った。「自分が得点しに行くのではなく、周囲の動きを見ようと思った」と、前半に見せ場はなかった。後半、試合の流れを見て、必要場面で実力の一端を披露。及第点の試運転だった。

 新潟にとってはこのプレシーズンゲームが今季初の対外試合。五十嵐の「新潟デビュー」を見ようと、約30人の新潟ブースターが訪れた。五十嵐にカメラを向ける開催地山形のファンも多数。高い注目度の中、「焦らなくてもいい。僕の中では開幕に合わせるようにやっているので」。周囲に惑わされることなく、自分のプレーを確認した。

 庄司和広監督(42)も「圭の動きはまだ少し重かったかな。きっちり仕上げるだろうから」と信頼を寄せる。山形は下位カテゴリーだが、プレシーズンゲームはこれが4試合目。全選手がそろっての練習はまだ10日ほどの新潟とは、状態に差があった。とはいえ、「この先、こういう試合をやっていてはダメ」と五十嵐はばっさり。「もっとプレーの精度を上げていく」。敗戦をしっかり受けとめ、チームに必要なものを明確にしていた。【斎藤慎一郎】