全国高校ラグビー2回戦が行われる今日30日、Bシード秋田工は初戦突破をかけて報徳学園(兵庫)と対戦する。チームは29日、神戸市東灘区の神戸製鋼・灘浜グラウンドで午前9時前から約2時間、最終調整を行った。FWとBK陣に分かれたパート練習や紅白2チームに分かれて攻守の連係を確認し合った。

 全国最多の3年ぶり66度目の出場で前回まで花園通算131勝44敗15分け(抽選=8勝6敗1分け優勝)。過去優勝15回、準優勝7回の伝統を背負うが、現選手たちにとっては初めての夢舞台になる。同校OBで就任3年目の伊東真吾監督(42)は「すごくいい状態だが(花園)経験者0はプラスにはならない。入りから全力でいく」と気を引き締めた。

 役者がそろった。身長191センチ、96キロの大型CTB児玉樹(2年)らU-18日本代表候補5人を擁する。最終ラインにはU-20セブンズ日本代表の俊足FB猿田湧も控える。8月に左ひざを手術して県予選を回避したNO8桑原真諭(ともに3年)も先発予定だ。児玉は今春、東北新人ラグビーで左ほおを骨折し、全国選抜大会を欠場する悔しさを味わった。体重を昨年から10キロ以上増やしてパワーアップ。「1対1では負けない。2、3枚が相手でも抜いていける自信がある」と重量級ステップで敵陣深く切り裂く。ゴールキッカーも務める児玉は「日本代表にいけるように成長したい。トライも奪ってゴールも決めたい」と自身初の花園でアピールする。

 報徳学園との花園での対戦成績は過去2勝1敗。だが直近の09年度は1回戦負けを喫している。左フランカー佐々木哲平主将(3年)は「外にスペースを与えないようにしたい」とサイド攻撃を警戒。伊東監督は「うちはベスト8なんて言ったら怒られます」とあくまでも全国制覇を目標に掲げた。【佐々木雄高】