花園の呪いなのか!? 前大会準優勝の桐蔭学園(神奈川)が新潟工(新潟)に完封勝ちを収めてベスト8進出を決めたが、ゴールキックを8本中7本外す異例の事態が起きた。

 先発メンバーは2年生8人とフレッシュな顔ぶれで臨んだ東の横綱。前半は強固なモールが伝統の新潟工に対して、巧みなキックパスやFW陣の奮闘で10-0で折り返した。

 後半は得意とする展開ラグビーで、原朋輝(2年)が2トライを奪うなどしてAシードの実力を発揮した。

 結果は42-0と圧勝したがおかしい…。2回戦からなぜかゴールキックが決まらない。30日の流通経大柏(千葉)戦では、20歳以下の7人制代表にも選出されたCTB斉藤大朗(ひろあき、3年)が6本中5本外した。先月31日の全体練習では、ゴールキックの猛特訓に励んだ。

 この日は、前後半でGK8本のチャンスがあったが、斉藤は微熱により欠場。

 前半はWTB加藤大暉(3年)が2本外し、後半はSH小西泰聖(1年)が1本決めるも5本外した。

 大役を務めた、1年生キッカーの小西は「勝つために(GKの)2点は大事なので決めないといけない。完全に練習不足。チームの勝敗や流れにも影響するため、修正してこの呪いを早く断ち切りたいです」と唇をかんだ。

 藤原秀之監督も2試合でGK14本中12本外したことに関して「かなりまずい。ありえない」と本音を漏らし、「練習不足。次からはこういったミスが致命的になるためきっちりと修正したい」と語気を強めた。

 今年のチームテーマは先輩たちが築き上げてきた「桐蔭学園の名を全国にとどろかせよう」との思いを込めて「轟く」にした。

 スター選手は不在だが、選手それぞれが状況に応じて考えてプレーする総合力が持ち味だ。3日の準々決勝以降はGK1本が勝敗の大きな決め手ともなる。初の単独優勝に向けて、GKの修正力がキーになりそうだ。