ラグビー元日本代表監督で昨年10月20日に53歳で亡くなった平尾誠二氏の「感謝の集い」が2月10日、神戸市内のホテルで行われた。午前中は約800人の関係者が集い、感謝の気持ちを伝えた。

 式典では伏見工(京都)時代に監督として指導した伏見工・京都工学院ラグビー部総監督の山口良治氏(73)が遺影に向かい「大事な、大事なものを教えてやれなかった。親より早く逝くな。そんな大事なことを教えてやれなかった、私のミスです」と涙。親交の深かった日本サッカー協会(JFA)岡田武史副会長(60)は「神戸のバーに何回か連れて行ってくれて、お前が葉巻を吸うと様になったよな。なんか知らんけれど、生まれ変わってももう1回会う気がする。その時は俺の方が葉巻が似合う役柄やけれどな」などと語り、別れを惜しんだ。

 この日はラグビー界以外からも、京大iPS細胞研究所の山中伸弥所長(54)、柔道の4大会連続五輪金メダリスト野村忠宏氏(42)らが出席。平尾氏か生前に築いた、広い交友関係が示される場となった。

 山中所長は平尾氏と同学年で、自身も学生時代にラグビーに打ちこんだこともあって意気投合。平尾氏が余命宣告を受けたときは号泣したという。「亡くなるまでの約1年間は彼といっしょに闘った」と闘病生活を支え、死去する前日も病室で話をしたと明かした。「治すことができなくて本当にごめんなさい」と無念の表情を見せた。