5月の全仏まで、今年の前半をクレーに重きを置く作戦だ。クレー、ハード、芝と3種類あるコートで、クレーが71・8%と勝率が最も高い。全仏まで、今大会を含み7大会出場予定だが、そのうち5大会がクレーとなる。そこには、大きな目標がある。

 現在の世界ランクを全仏までに4位以内にどうしても上げたい。「4位と5位では大きく違う」。4位以内になれば、4大大会でジョコビッチ、マリーら上位陣と準決勝まで対戦しない。もちろん、1月の全豪のように、ランクを落としているフェデラーと4回戦で当たる不運もある。しかし、上位進出の可能性は高くなる。

 悲願の4大大会優勝に向け、勝率の高いクレーに懸けた。この日、試合中に「少し硬くなった」と、両足にマッサージを受けた。球足の遅いクレーは、ラリーが長引くタフさを必要とする。2週連続の消耗戦だが、ともに第1シード。第1シードで決勝進出を逃したのは、たった1回きりだ。

 ◆錦織の第1シード大会 ツアーで過去第1シードだったのは7大会。そのうち6大会で決勝に進出している。その6大会中、5大会が優勝と、第1シードでの優勝確率は非常に高い。決勝進出を逃したのは、昨年の楽天オープンだけ。2回戦で、左でんぶを痛めて棄権した。