ミキハウスの入社式が4日、大阪・八尾市内で行われ、柔道男子60キロ級で五輪3連覇の実績を持つ野村忠宏氏(42=同社スポーツクラブGM)が、新入社員を激励した。

 野村氏は21年前の96年アトランタ大会から五輪3連覇を達成。20代前半の若き社員に向け「君たちが生まれたか、まだ生まれていないかくらいの年に、五輪で金メダルを取りました。野村さんのこと知ってますか? 意外に(背が)小さいなと思いましたか?」などと笑いを誘った。

 さらに同氏は「私は3歳から柔道を始めて、中学の最初の試合で女の子に負けた。父親には『もう辞めてもいいぞ』と言われたこともある。でも、いつの日か、得意な背負い投げを武器にしてやろうと考えた。弱かった時でも、この背負い投げで世界を取るんだと思い続けてやってきた。だから、みなさんも何か1つ、自分の武器を作ってください。武器は笑顔でもいいです」と真剣に訴えかけた。

 新入社員として20年東京五輪を目指す競泳女子平泳ぎの青木玲緒樹(れおな、22)、男子自由形の天井(あまい)翼(22)、柔道女子の山本沙羅(22)、水泳飛び込みの千歩(せんぶ)純一(22)らも参加した。

 13日から競泳日本選手権(愛知)を控える青木は「世界選手権出場を目標にやっている。最後は気持ちで優勝を目指したい」。16日から柔道の全日本選手権(神奈川)に出場予定の山本も「得意技は内股。私の足は太くて長いので、ザクッとカマのようにやるのが持ち味です。東京五輪では優勝を目指したいです」と宣言した。