ハンドボールの全国高校総体大阪府予選男子決勝(6月10日、堺市家原大池体育館)で悪質にも見える接触プレーが起こった問題で、大体大浪商は5日、大阪・熊取町の同校で記者会見を行った。

 会見では清水俊彦校長(57)が冒頭に「生徒に対する指導が行き届いていなかったことに原因があると思います。申し訳ありませんでした」と謝罪。工藤哲士教頭(50)、男子ハンドボール部の徳永昌亮監督(34)が質問に応じた。

 問題は大体大浪商が29-28で桃山学院を下し、全国高校総体(7月26日開幕、三重)の出場権をつかんだ試合で起こった。後半、攻撃側だった大体大浪商の選手の肘が、マークのためユニホームを引っ張られていた桃山学院の選手の胸付近に当たった。

 周囲からは「意図的に行ったのでは」という声もあり、大体大浪商側は当該選手からの聞き取りや、動画確認等を実施。工藤教頭は「ユニホームを(桃山学院の選手に)引っ張られて、振りほどくために体の軸を中心に回転した反射動作であり、意図的な行為とは認められませんでした。ただし、同プレーはケガにつながる恐れのある、危険な反則行為であることは間違いないと考えます」との見解を示した。

 この試合は警告(大体大浪商1、桃山学院4)、退場(大体大浪商1、桃山学院4)となっており、激しい接触プレーは当該プレー以外にも見られたという。

 勝てば全国大会出場の決勝戦で、気がはやる面があったということも踏まえながら、工藤教頭は「そうした雰囲気にも配慮し、徹底した指導をするのが部長や監督、ひいては本校教員の役目でございます。その役目を十分果たせなかったのが本件の原因であり、肘が当たった選手、選手の保護者の方も含め、桃山学院の皆さまに対し、本校として深くおわび申し上げます」と自校の責任に言及。徳永監督も「私の指導不足です。試合後も(全国高校総体出場を決めた)うれしさのあまり、コートの中に入って『おめでとう』という言葉をかけて、表彰式に移ってしまった」と自らの甘さをかみしめた。

 試合2日前の6月8日には、大体大浪商の2選手が無料通信アプリ「LINE」のグループへ、今回肘が当たった桃山学院の選手が短文投稿サイト「ツイッター」に「そろそろ俺らが勝つときでしょう」と投稿しているのを貼り付けた。その上で1人が「何こいつ? ぶっ殺すか」、もう1人の部員が「やっちゃいましょう 笑」などと投稿したことも問題となっている。

 やりとりは部員2人で行われているが、試合で「肘打ち」を行った選手とは別の部員であり、工藤教頭は「(ライングループへの投稿は)反則を予告したものではないと認識している」と直接的な関連性を否定した。