国際オリンピック委員会(IOC)は27日の理事会で、国連総会のオブザーバー資格の獲得を目指すことを決めた。オブザーバーは議決での投票権はないが発言権があり、国際赤十字や欧州連合(EU)もこの資格で入っている。

 IOCは、世界平和の確立という共通の理念を掲げる国連とはできる限り協調する姿勢を以前から打ち出しており、夏季、冬季の五輪開催前には国連総会に対し「五輪休戦宣言」を求め、毎回採択されている。

 しかし五輪憲章は、IOC委員はいかなる政治的経済的影響も受けないと定めており、オブザーバー参加とはいえ国連総会のメンバーになることで、政治的紛争に巻き込まれかねないとの懸念が一部にある。