2016年夏季五輪招致に失敗した東京都が、招致活動費で最大1億円以上の赤字が出る可能性があるとして、日本オリンピック委員会(JOC)に数千万円の負担を要請していることが22日、分かった。

 都によると、JOCに要請した負担は、特定非営利活動法人(NPO法人)の招致委員会に派遣されたJOC幹部らの人件費や、国際オリンピック委員会(IOC)委員への働き掛けなどで使った物品費など。

 JOC幹部は「負担するか、しないか検討中」としている。

 都は、見積価格が10分間で5億円の映像費など、IOC総会でのプレゼンテーション費用について委託先の電通と交渉中。招致活動費の総額は確定していないが、年度内にまとめる決算で1億円以上の赤字になる恐れがあるという。

 JOCに負担を要請した理由について都幹部は「赤字になった場合、全額公費で穴埋めするのは都議会の理解を得られにくい」としている。

 招致活動費は、都の支出100億円と民間の寄付50億円の計150億円で賄う予定だったが、不況などの影響で寄付金は43億円前後にとどまる見込みという。