日本オリンピック委員会(JOC)は28日、東日本大震災の被災地の子どもを応援しようと、岩手県山田町の町立船越小で、スポーツイベントを開いた。ソチ冬季五輪ノルディックスキー・ジャンプ男子ラージヒルの銀メダリスト葛西紀明(41)らが児童と交流し、汗を流した。

 船越小の校舎は津波で全壊し、岩手、宮城、福島の3県で初めて新校舎を高台に再建した。葛西は競技後に「自分の力で夢をつかむ気持ちでいつもやっています。皆さんもつらいことがあったと思うけれど、乗り越えて人と支え合って頑張ってほしい」と高学年の児童に語り掛けた。

 イベントには、スキー・ジャンプの高梨沙羅(17)、伊東大貴(28)、清水礼留飛(20)らも参加した。全校児童約130人が五輪カラーの5色のチームに分かれ、選手が1人ずつ交じって3種目を楽しんだ。

 大玉転がしは、葛西の「チームブルー」が圧勝。ゴールすると「ワー!」と歓声を上げて喜び合った。高梨も笑顔で児童に声を掛け、一緒に玉を転がしていた。

 6年の金浜大裕君(11)はしっぽ取り競争を終え「オリンピック選手なのでやっぱり足が速い」と目を丸くしていた。