<東北高校駅伝>◇5日◇山形県長井市・ながい黒獅子ハーフマラソンコース◇男子7区間(42・195キロ)女子5区間(21・0975キロ)

 第60回全国記念大会で、東北地域の出場1枠増の男子は、宮城第2代表の仙台育英が2時間9分28秒で東北勢最後の全国切符をもぎ取った。各県優勝6校を除く出場21校(欠場1校)の中で、最大1分29秒差を4区から盛り返し逆転。総合2位で18年連続の全国出場を決めた。男女優勝は、ともに青森第1代表の青森山田が2年連続3度目のアベック制覇で、全国大会に弾みをつけた。

 男子の仙台育英が起死回生のタスキリレーで“5年に1度の好機”をものにした。5の倍数になる全国大会ごとに東北地域に与えられる1枚の全国切符。清野純一監督(25)は、2位に沈んだ県大会から7区全員の走順を入れ替えるサプライズ・オーダーで勝負をかけた。1月の左アキレスけん手術からまだ調整段階のエース山野友也主将(3年)をあえて長距離3区(8・1075キロ)に起用。「(万全の状態で)走れないことは分かっていたが、チームの起爆剤にしたかった」と精神注入した。

 その山野は区間10位で6位まで順位を落とした。だが後続の4区服部勇馬と5区伊藤弘毅の1年生2人が主将の走りに発奮した。全国切符を争う明成(宮城)と1分29秒差でタスキを受けた服部は6秒差まで詰め、伊藤が明成を含む当該2校を抜いて逆転した。2区3位で全国優勝した07年以来、約1年11カ月ぶりの駅伝出走になった山野主将は「走れたこと自体がうれしかった。力を出し尽くしたい」と高校生活最後の都大路を見据えた。【佐々木雄高】