<レスリング:全日本選手権>◇2日目◇22日◇東京・代々木第2体育館

 昨夏の北京五輪女子48キロ級で、2大会連続銀メダルを獲得した伊調千春(28=綜合警備保障)の約1年半ぶりの国内復帰戦は準優勝に終わった。51キロ級に階級を上げ、首痛を抱える中で決勝に進出。最後は9月の世界選手権銅メダリストの甲斐友梨に0-2で敗れたが、12年ロンドン五輪での悲願の金メダル獲得へ思いを新たにした。

 約1年半ぶりの国内復帰戦は「銀メダル」に終わったが、伊調千の心は晴れ晴れとしていた。伸び盛りの甲斐を前にタックルを受けるなど0-2で敗れ、試合直後は妹馨の前で涙も流した。だが妹から「泣くな!

 練習していないから仕方ない」と一喝され「私のレスリング人生は負けるところから始まる」と切り替えた。北京五輪後はカナダに留学し、人生経験を積んだ。来春からは保健体育の教員として、青森県内の公立高校に赴任予定で、現役と二足のわらじを履くつもりだ。当面は51キロ級で戦い、ロンドン五輪に向けて従来の48キロ級に戻す。「51キロ級で1回パワーをつけたい。ロンドンで金メダルが欲しい」と誓った。