06年トリノ五輪、10年バンクーバー五輪カーリング女子代表で、“マリリン”の愛称で親しまれる本橋麻里(24=NTTラーニングシステムズ)が16日、都内で会見を開き、チーム青森からの脱退と新チーム結成を発表した。自ら主将を務める新チームは、本橋を含む5人全員が北海道北見市常呂町の出身。チーム名は「ロコ・ソラーレ(太陽の常呂っ子)」とした。北見市に登録予定で、来年2月の日本選手権出場を目指すことになる。

 マリリンが、カーリング人生の原点に戻り新たなスタートを切る。この日でチーム青森から正式に脱退。新チームは7月からすでに活動を開始している。「青森を離れる決意をしました。もっと強いきずなを一からつくっていきたいと感じた」と、自ら主将のチームを立ち上げた。

 首都圏を拠点に立ち上げを模索した時期もあったが、最終的には出身地で新チームを結成した。本橋も含めて、メンバー5人は全員が常呂町で生まれた「常呂っ子」だ。チーム名も、地元を意識し、ローカルの略語で、「常呂っ子」をからめた「ロコ」に、イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」をつけた。中学時代につくった「マリリンズ」も名前の候補に挙がったが「さすがにわたしも24歳。きついかな」と照れた。

 メンバー全員が、日本選手権に出場したトップ選手だ。「全員が熱い思いを持った選手。個性も強い」。吉田と鈴木は、JJ常呂の一員として、今年の日本選手権で4位。馬渕は、06年パシフィック選手権でチーム青森のメンバーとして日本代表になった。

 すでに、3月の世界選手権を終えた時点で、青森を離れることを決めていた。「(青森は)自分をステップアップさせてくれたチーム。感謝している。自分の力不足で(五輪で)結果を出せなかった」。もう1度、最初からチームをつくり上げたかった。高い目標に挑む意欲が、青森を離れる気持ちを後押しした。

 当面の目標は、来年2月に行われる日本選手権(北海道・名寄市)の出場だ。「スタートしたばかり。五輪よりも、まずは1歩1歩進みたい」。これまで写真集やDVDなどを発売してきたが、その活動も「今後はカーリングにしぼって、なるべく静かにしよう」と封印。原点である練習拠点の常呂町カーリングホールから、マリリンが再び世界を目指すことになった。【吉松忠弘】