<フィギュアスケート・GPシリーズ第6戦:フランス杯>◇27日◇パリ

 フィギュアスケート男子で小塚崇彦(トヨタ自動車)が完全優勝し、ファイナル出場が決定。日本勢は史上初めて、男女6人が出場する。

 小塚から出た言葉は、反省ばかりだった。今季最高得点、歴代で総合5位、フリーだけ見れば高橋に次ぐ史上2番目の高得点で優勝した。だが、一夜明けた28日、喜びはなかった。「映像を見たら、音楽から外れているところが何カ所かあった。もっと良い演技ができる。これが終わりじゃない」。そう振り返る表情には、王者の風格が漂った。

 緊張感を完全に制御したフリー。演技直前、衣装のボタンがいくつか外れていた。だが「それに気づけたことがよかった。落ち着いていると、かえって思えた」。4回転トーループに始まるジャンプをすべて決めた。スケーティング技術も向上し「スタミナがついて、プログラムが終わっても、もう1回滑れるんじゃないかっていうぐらい安心感がある」。自信にあふれていた。

 バンクーバー五輪は8位で高橋、織田に続く第3の男だった。だが、今季の得点は2人を大きくしのぐ。出場6選手中、1位で臨む北京開催のファイナル。「何となくできちゃったじゃなく、コントロール内でできるかが最大の目標。あとは北京ダックが楽しみかな」。真の日本男子のエース争いに堂々と名乗り出た。