スーパー中学生が14年ソチ五輪のメダルを目指す。同五輪で新種目として採用が有力な女子ジャンプのナショナルチームが29日、都内で会見を行った。14歳ながら、昨季から代表入りした高梨沙羅(上川中)は「(五輪で)自分のジャンプができるように頑張りたい」と、早くも4年後に思いをはせた。

 151センチと小柄ながら、大人のお姉さん顔負けのスーパー中学生だ。高梨はドイツで行われた8月のサマーコンチネンタル杯では5戦に出場。外国の強豪たちと堂々と渡り合い、表彰台を2度ゲットした。総合でも4位と、日本人トップの成績を収めた。国内のサマージャンプでも、4戦して3勝と圧倒的な強さを見せている。低迷するジャンプ界に現れたヒロインといえる。

 まだ中学2年生。五輪、世界選手権で日本人最多9個のメダルを持つ、原田雅彦氏が卒業した上川中に通う「女原田」だ。昨年10月に大倉山で行われたサマージャンプでいきなり大人に交じって優勝し、注目された。代表の渡瀬弥太郎コーチも「物おじしないし、素晴らしい選手」と絶賛する。

 海外遠征で学校を休む時は「プリントやドリルを持ち歩いてます」。分からない時は、先輩選手が先生代わりとなる。遠征から学校に戻ると、いつも「習っていないところがあって困ります」。好きな課目は英語と、すでに国際舞台での準備も万端だ。

 来年2月の世界選手権(ノルウェー)で、日本代表としては史上最年少出場が有力視される。まずはここでメダルを狙い「シニア」の世界にアピールする。バンクーバー五輪は、遠征先のオーストリアでテレビ観戦した。「(ジャンプの)会場がすごい人で埋まっているのでびっくりした」。4年後のソチでもまだ17歳。「あの舞台で飛んでみたい」。あどけない笑顔の瞳がキラキラと輝いた。【吉松忠弘】