国際オリンピック委員会(IOC)が6日、ロンドンで理事会を開き、14年ソチ五輪新種目にスキー・ジャンプ女子、フィギュア団体など6種目を正式採用することを発表した。ジャンプ女子では、史上最年少で2月の世界選手権に出場し、6位入賞した14歳の高梨沙羅(北海道・上川中3年)がメダル候補。3年後、冬季五輪の日本史上最年少メダリストを目指す。

 世界中の女子ジャンパーが待ち望んだ瞬間が訪れた。IOCのロゲ会長が、理事会開催後に会見を行い、同競技の五輪採用を正式に発表した。この日、高梨は通学する中学校の始業式に出席。夢に描いていた五輪への挑戦権を得て、高鳴る胸を抑えられなかった。「とてもうれしい。3年後、代表に選ばれたらメダルを取りたい。一番きれいなメダルを目指したい」と力強く宣言した。

 バンクーバー五輪で新種目候補に挙がりながら落選して5年。99年に世界初となる女子国際大会が開催されてから、先輩が歩んできた長い歴史がある。それを知っているからこそ高梨は「今まで引っ張ってきてくれた先輩たちが作ってくれた道。責任がある」と話す。

 高梨が五輪代表に選出されれば、本番を17歳3カ月で迎える。メダルを取れば、ショートトラックの西谷岳文(金=19歳1カ月)、フィギュアの浅田真央(銀=19歳5カ月)を抜き、冬季五輪の日本人最年少メダリストになる。

 2月の世界選手権では女子初の6位入賞を果たし、コンチネンタル杯では6戦2勝、2位2回と世界トップクラスの実力を証明している。来季からW杯の開催も決定し、経験を積みながら世界への階段を上っていく。全日本スキー連盟の斉藤智治ジャンプ部長は「間違いなくメダル候補」と断言する。

 日本は今、東日本大震災で大きな悲しみに包まれている。高梨は「結果を出して少しでもみんなの勇気につながれば」。14歳の瞳が、初代女王の座をしっかりととらえた。