スピードスケート・ショートトラックのW杯第3戦は今日30日、名古屋で開幕する。80~90年代に世界をリードした日本だが、98年長野大会を最後に五輪メダルが遠い。そんな中、再来年のソチ五輪に向け強化を図り、目標はリレーと個人で各1個のメダル獲得。個人で期待がかかる女子の酒井裕唯(24=岐阜ク)は、今大会でのメダル獲得を狙う。

 開幕を翌日に控えた29日午前、酒井らは会場で最終調整した。10月のW杯第2戦の1000メートル4位が今季最高。昨季、1000メートルで日本人女子初の総合優勝という快挙を遂げた女王には物足りない結果だが「気持ちのスイッチが入っていなかった」という。再来年の五輪を見据え今季のピークを、同じ一発勝負で後半にある世界選手権に合わせることも理由の1つだ。

 ただし、スロースタートもここまで。昨年も優勝と2位(1000メートルと500メートル)の名古屋で「コンスタントに上位を狙わないとメダルは取れない。地元大会だし去年と同じぐらいの成績を目指す」とエンジンを吹かす構えだ。一方で五輪に向けての改良も目指す。先行逃げ切りが酒井の必勝パターンだが「抜かれたらどうする、それも残り2周だったら…といろいろなレース展開を試して自分の引き出しを作りたい」。試行錯誤の先に、4大会ぶりのメダルが待っている。