大相撲の追手風親方(元幕内大翔山)に暴行を受けたとして、熊本市に住む元床山の男性(23)が親方と日本相撲協会に550万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、熊本地裁(高橋亮介裁判官)であり、親方と協会は請求棄却を求めた。

 訴状によると、男性は元力士で2005年1月に床山として追手風部屋に入ったが、親方からゴルフクラブや平手で殴られる暴力を受けた。今年3月には親方の命令で部屋の12人から30分以上殴られ、3週間のけがをして4月に退職した。

 男性は「親方の行為は教育的な指導や制裁の範囲を大きく超え、常軌を逸している」と指摘、協会についても「親方を指導監督する立場にあったのに怠った」と使用者責任を主張している。

 協会側は事実関係は承知しておらず、親方とは雇用関係にないとして、男性に対し、主張の根拠を明らかにするよう求めた。追手風親方は提訴された後に「(男性は)自分がやられたことだけを言っている。徹底的に言い分を主張したい」と話していた。