日本相撲協会は11日、複数の現役力士が野球賭博をしていたことを発表した。力士のしこ名や時期、賭け金の規模などについては個人情報保護の観点から公表しなかった。相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は、力士が自ら申告してきたことを加味し、処分を厳重注意とした。

 相撲協会の調査に、これらの力士は仲間内で賭博を行ったと証言した。暴力団とのかかわりを確認できなかったという。引き続き協会の生活指導部特別委員会で調べる。警視庁は週明けにも相撲協会から報告を受け、必要と判断した力士を事情聴取する。

 相撲協会はまた、力士や親方らすべての協会員に対し、過去5年以内のあらゆる違法賭博への関与を調査するアンケートを送付した。週明けをめどに回収する。これに名乗り出た者は自己申告したとみなされ、相撲協会の処分は情状酌量の対象となる。

 東京・両国国技館で記者会見した陸奥生活指導部長(元大関霧島)によると、今回厳重注意を受けた力士は数人程度で、師匠を通じて関与を申告してきた。週刊新潮で大関琴光喜らの野球賭博疑惑が報じられたが、琴光喜を含めて記事で取り上げられた力士は今回、含まれていない。

 武蔵川理事長は協会を通して「自己申告した者は素直に謝罪したので厳重注意した」と発表。「今後、賭博行為をした者は厳しく処罰する。大変ご迷惑をお掛けして、申し訳ございませんでした」とコメントした。