大相撲の元関脇で東十両8枚目の栃乃洋(37=春日野、本名・後藤泰一)が初場所千秋楽の22日、現役引退を表明した。14日目に11敗目を喫し、十両残留が厳しくなったことで決断。会見では「自分の相撲が取れなくなった」と話した。拓大で学生横綱となり、96年初場所に幕下付け出しで初土俵。5場所で十両昇進し、97年九州場所に小結、01年春場所には関脇まで昇進した。

 今場所の番付では関取最年長。左四つからの力強い相撲に定評があり、金星12個は現役最多だった。この日年寄「竹縄」の襲名も承認され、今後は春日野部屋の部屋付き親方として指導にあたる。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「体が丈夫で、真面目な性格。今の部屋の若い力士は、栃乃洋の胸を借りて強くなったと言っても過言ではない」と話した。