相撲協会が直面している課題に人気の低迷がある。初場所ではチケットの残券数が両国国技館になって最多を記録する日があり、日本勢期待の稀勢の里(25=鳴戸)が新大関として臨んだことも起爆剤になっていない。3月の春場所が試金石となり、新役員は回復策を披露した。

 北の湖理事長(元横綱)は「まずは土俵の充実を図る。ファンが何を望んでいるかを考え、外からの声にも耳を傾けないといけない」と危機感を口にした。

 入場者数の少なさは本場所収入の減少につながり、財政に打撃を与える。放駒理事長(元大関魁傑)時代には外資系のコンサルティング会社に依頼し、入場券の販売促進策を探った。7月の名古屋場所担当を務めてきた千賀ノ浦理事(元関脇舛田山)は「升席が空いている。いろいろと問題があるので着手したい」と意欲的だ。

 若手の玉ノ井副理事(元大関栃東)は「力士がファンのみなさんと交流できればいい。プロ野球みたいなファン感謝デーを実現できるように努力したい」と私案を展開した。大山副理事(元幕内大飛)は「土俵上での立ち振る舞いが非常に大事。勝負だけでなく、所作が見る方の心を打ち、相撲の発展につながる」と力士の意識向上を望む。