<大相撲春場所10日目>◇23日◇大阪府立体育会館

 横綱白鵬(25=宮城野)が危なげなく全勝をキープし、歴史を塗り替えた。鋭い踏み込みで左を差し、腕を土佐豊の首に巻きつけるようにして、すくい投げ。「左が入ったからね」と初顔の挑戦を一蹴した。大関時代の07年初場所から続ける「2ケタ勝利」は20場所連続に更新。同名古屋場所からの「新横綱からの連続2ケタ」は17となり、大鵬、2代目若乃花を抜いて歴代トップに立った。

 千秋楽まで優勝争いを引っ張るのが横綱の務めだ。「ある意味、当然。ある意味、大変。今日が横綱としての勝ち越し」という。先場所まで苦しんだ左ひじ痛や腰痛は、場所前に入念に処置。超安定政権の要因を、執行(しぎょう)トレーナーは「痛みに早めに対応しているから」と分析する。11日目は、先場所敗れた把瑠都との全勝決戦。横綱として、下位の力士に連敗するわけにいかない。「うまくいけば千秋楽笑えるんじゃないかと思います」。今場所2度目の洗髪でスッキリし、余裕の表情を浮かべた。