大関琴欧洲(29=佐渡ケ嶽)が、右足を骨折していたことが22日、分かった。夏場所千秋楽の20日、「右足根骨靱帯(じんたい)損傷で、約3週間の治療を要する」との診断書を提出して休場。しかし、21日に千葉県内で精密検査を受けたところ、骨折が判明した。全治まで1カ月以上かかる見通しで、稽古再開や名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)の出場はめどが立っていない。

 夏場所は琴欧洲の休場により、優勝争いのトップに並んでいた栃煌山が千秋楽を戦わずして優勝する可能性もあった。優勝争いに水を差す形になり、北の湖理事長(元横綱)は協会あいさつで「誠に遺憾」と観客に謝罪したほどだった。当初の診断書では軽傷と認識されかねなかったが、関係者によると、当日の琴欧洲は足もつけない状態だった。

 診察結果が当初と異なったのは、病院の事情による。受傷した14日目と休場した千秋楽は土日のため、かかりつけの整形外科でエックス線検査を受けられなかった。関係者は「大関は腕や鎖骨を骨折しても出場したことがある。休場するのは重傷だったから」と話した。

 現在、琴欧洲は入院はしておらず、しばらく安静に努める予定。2メートルを超える身長に合う松葉づえがなく、困っているという。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「何を言っても言い訳になる。私からお話しすることは、控えさせてください」とコメントを避けた。