日本相撲協会は27日、秋場所(9月9日、両国国技館)の新番付を発表した。7月の名古屋場所で全勝優勝した大関日馬富士(28=伊勢ケ浜)は、3度目の綱とりに挑戦。モンゴルの言葉にもある「三度目の正直」を実現する。

 3度目の綱とりへ、日馬富士が心境を口にした。「自分のやるべきことをしっかりやって、結果は後からついてくる。あとは、運勢に任せたい」。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も「もちろん、期待しています。あんまり気負わないで、1番1番集中していけばいい」と話した。

 ▽綱とり1回目(09年名古屋場所)

 5日目までに2敗を喫して消滅。後に「初優勝で満足してしまった」と振り返った。

 ▽綱とり2回目(11年秋場所)

 4日目までに平幕に2敗し、絶望的に。場所前から、臀部(でんぶ)痛に悩み、力を出せなかった。

 平成以降、横綱昇進を決めた大関は連続優勝だけ。ワンチャンスをものにした曙と朝青龍以外で、3度目の綱とりに臨んだ7人のうち、成就させた力士は白鵬だけだ。

 三度目の正直-。日馬富士は「(モンゴルに)同じような言葉があります」と言う。モンゴル語で「男は目標を達成するまで頑張る、馬はゴール目指して走る」という言い回しがある。乗馬、競馬、モンゴル相撲の3大祭りをすべて制してこそ勝利、という意味があるという。しこ名に込めた「馬」のごとく、綱とりに走りだす。【佐々木一郎】