<大相撲名古屋場所>◇12日目◇18日◇愛知県体育館

 新十両の大砂嵐(21=大嶽)が琴弥山を突き出しで破り、勝ち越しを決めた。アフリカ出身初の関取としての重圧に加え、4日目からのラマダン(イスラム教の断食月)の苦労をはねのけた。「立ち合いはミスした。すぐに作戦を変えた。めっちゃ疲れているけれど、勝ち越してホッとした」と笑顔。もろ手は相手に防がれたが、左にいなして勝負を決めた。

 日中は飲食をしていない。気温35度前後の中で水分摂取できないが「その影響はない。さらにパワーがでるんだ」と言い切る。食事は付け人と一緒に夜食をつくっておき、深夜にも食べる。東京の大嶽部屋ではハトにえさを与えるのが日課だが、場所中の宿舎にいるネコとの触れ合いが心のいやしとなっている。

 前日の隆の山戦後は悔しくてなかなか寝付けなかった。負けることもパワーに変わった。「あと4番勝てるように、1日一番で頑張るだけ」。成長は右肩上がりだ。