<神宮大会:東洋大3-2東北福祉大>◇最終日◇19日◇大学の部決勝◇神宮

 大学の部は、東洋大(東都大学)が東北福祉大(北海道・東北5連盟)に競り勝ち、連覇を果たした。春、秋リーグ戦、大学選手権、神宮大会制覇は、72年関大、89、97年の近大、02年亜大以来、史上4校目の年間4冠も達成した。

 東洋大には今年4度目となる高橋昭雄監督(60)の胴上げだった。4冠達成。同監督は「4年生がよくやってくれた。私?

 何もやっていません」と笑った。主将の大野奨太捕手(4年=岐阜総合学園)からはウイングボールがプレゼントされた。「あいつがやってくれましたねえ」。

 頼もしい主将は最終回、投手を代えようとした高橋監督にこう進言した。2番手の鹿沼圭佑投手(2年=桐生一)が1死後、連打を浴びた直後だ。「鹿沼で行きましょう。調子は落ちてないです」。監督は主将の意見を尊重し、1点差で逃げ切った。

 下級生投手2人のリレーで13奪三振。大野は勝負どころで変化球を要求し、逆転を許さなかった。「応えてくれる投手がいるから。うちは大場さん(現ソフトバンク)が抜けてスターもいないし、団結力のチームですから」。主将として話し合いを大事にしてきた。下級生とも、監督とも。それが今年最後の試合にも生きた。

 日本ハムから1位指名を受けている。「先輩のプレーを見て盗んで学びたい。壁にもぶつかるでしょうけど」。そんな立場にありながら、後輩たちのことが頭にあった。「来年のことも考えると(9回は)最後まで鹿沼かなと思いました。本人にも頑張れといいました。中心になって欲しい選手ですから」。大野の思いが後輩たちに伝われば、まだまだ東洋大時代は続く。【米谷輝昭】