球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが15日、都内の野球殿堂博物館で発表された。プレーヤー部門では中日一筋で活躍した立浪和義氏(49)が選ばれた。

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プロらしい、プロ。それが、わたしが表現する立浪という男だ。中日監督、コーチとして向き合うなど長い付き合いだが、とことん突き詰めていくタイプだろう。

プロに入ってきたときから「天才」といわれた看板に偽りなしだった。高卒1年目から内野のレギュラーを張って、あれほどの数字を残したプレーヤーはそうはいない。

ことバッティングに関しては、奥が深い。理論に裏付けられた打撃術は、こちらをうならせるものがある。そのテクニックに、不断の努力を積み重ねてきた。

晩年は、膝、腰などの故障に悩まされ、限界とささやかれた。しかし、わたしが監督だった頃、少しでも負担を軽くするのに、二塁から三塁に回ると、再びひと踏ん張りしてみせた。

天才肌だが、幾度も壁を乗り越えた。まさにプロフェッショナル。今度は指導者として、球界を支えるような人材を発掘し、育てる姿をみたいものだ。(日刊スポーツ評論家)