広島打線は、岩田の低めの球を徹底的に我慢して見逃そうとした。1人だけでやっているわけではなく、鈴木誠や長野、会沢に堂林。それぞれが高い意識で、攻略にかかった。岩田にすれば、苦しい投球になったはずだ。打線で戦ったということが顕著に表れた試合だった。1番宇草も2安打2四球と4打席すべてに出塁し、ガムシャラさが光った。

そういう良さもあった試合だが、やはり課題も残った。野球はミスの出るスポーツだ。2回の松山の守備は言語道断だ。前夜もあったが、フライに対しての苦手意識があるのか、この試合でも失点に絡んだ。2回には、宇草が飛球をグラブに当てたが、あれは技術的なミス。早くグラブを出し過ぎて、ボールに対して目線が重なったように見える。もう1、2歩走り、落下したところでグラブを出さないといけない。ただしナイターに慣れればできるプレーだ。

4回の北條の盗塁では、菊池涼、田中広のベースカバーが遅れた。どちらかが入るか、決めておく話で凡ミス。しっかりと集中力をもってやらないと、大量失点につながりかねない。今季は投手の四球同様に、野手のエラー絡みの失点が目立つ。反省すべきところは反省して、次に向かってほしい。（日刊スポーツ評論家）